7月29日(日)  ブリュッセルからパリへそして市内観光
<旅程詳細>  スライドショー    サムネイル

<<動画:パート1(約12分30秒)はこちらをクリック!!>>
<8月2日>
 7時40分、ロビー集合で駅まで徒歩
 8時4分発 ルツェルン行きの列車のホーム番号を掲示板で見つける。広い駅舎でホームが何10本もある。4番乗り場は駅の端っこの方のホームをさらに100メートルも行った先にある。改札もなければ、ホームと外の道路との間に壁も何もなく、外からホームにそのまま入れる。変な感覚だ。
 4Bのホームに停車している1等車両の2階建て列車に乗り込む。外側は汚れていているが、中は赤いシートで洒落ている。
 まもなく発車。外は少し雨が降っている。40分ほどしてルツェルン駅に到着。ここでインターラーケン行きの列車に乗り換える。乗換時間は5分程度。ホームを小走りして乗り換える。すでに列車には多くの乗客が乗り込んでおり、前の方の1等車両に乗り込む。韓国からの学生らしき団体が先客で、結構、楽しそうで賑やか(やかましかった)。

 発車してしばらくするとスイス特有の山と牧草の風景になったが、雨がだんだんひどくなってきた。列車は、山間をくねくねしながら進んでいく。さらに今度は坂を上ったり下ったりだ。ある時は一旦停車して、しばらくするとガタガタという音を立てて急な坂を上っている。おそらく3本目のレールにギアを嵌めて登っているのだろう。当然スピードもそれなりにゆっくりとなる。
 ぐんぐんと車窓の景色が高くなっていく。5分もすれば100メートル以上の高度をあがったように思える。下って平らになると、今度はどんどんスピードを上げていく。綺麗なグリーンの車窓が続いたかと思うと、エメラルドグリーンの大きな湖の脇を走っていく。こんな景色が1時間半続き、10時25分頃に目的のブリエンツ駅に到着した。でも外は小雨だ。









 駅を出ると、道路を隔てて真向かいにロートホルン鉄道のかわいらしい駅舎が目に入ってきた。その向こう側には赤い2両の車両とその後ろに蒸気機関車が停車していた。
 早速、駅の係員らしい人に、山頂は雨かどうかを聞いてみるが、登ってみないと分からないという回答(当たり前だ)。山頂往復7000円ほどは痛いという気がするが、ここまで来て諦めるわけにはいかない。「登ってみよう!」ということになり、切符を購入する。ここは改札ということでもないが、駅員が切符のチェックをしてホームに入る。はじめは乗客が少なかったが、私たちのあとに次々と増えてきた。
 15分ほどして、駅員が列車のドアチェックを済ませ、機関車の運転手に合図して出発(10時45分)。ガイドブックによると山頂駅まで標高差は16788m、最大勾配250パーミル(100m進む間に高度が25m上がる)。ちなみに日本の登山鉄道の最大勾配は大井川鉄道で90パーミルだそうで、これに比べて3倍近い急勾配ということになる。
 いきなり線路はかなりの傾斜である。2本のレールの間にもう1本、歯形の付いた3本目のレール(ラックレールという)があり、列車の車輪(歯車)がその歯型に噛み合って滑り落ちないように、そして列車を押し上げる力を出しているという。
 数分もすれば車両の右サイドは山の斜面、左サイドには牧草で緑鮮やかな斜面の中にポツンと立つ家があり、その向こうには高度が高くなるにつれてエメラルドグリーンのブリエンツ湖が見えてきた。ここまでくると空も晴れ渡るようになってきた。なんと幸運なことだ。景色はガイドブックにあるとおりの綺麗な写真が撮影できるほどになってきた。そして山の斜面を這う様に敷設されているレールを左右に揺れながら20分も登っていくと、森林限界を越えて山の牧草が広がる台地に乗り出した。
 台地といっても山の斜面であり、かなりの勾配があり、大きくレールはくねっており、グリーンの中を列車が力強く進んでいく。向かいの斜面には山頂からの小道が細く流れるように線を描いており、その小道を降りていく2人の姿が見えた。










 11時10分、山頂から降りてくる車両とすれ違うために設けられている途中駅(プランアルプ:標高1341m))に到着した。ここで蒸気機関車に水の補給をしている。
 5分ほどして再出発した。山頂から大きくうねるようにして降りてくる山のグリーンの斜面をさらに力強く登っていく。車窓から後方を見やると登ってきたレールが大きく湾曲し、そしてかなりの勾配を登ってきたことがよく分かる。そして山と山の間からブリエンツ湖が見える。やがて歯のように尖った山の稜線の際にレールが敷設されている風景となり、いよいよ山頂に近づいてきた雰囲気になってきた。
 突然、線路の脇にカウベルをカランカランと鳴らしている牛が現れた。側を通る列車に動じるそぶりを見せることなく、じっくりと車内の私たちを眺めているようだった。鋸の歯のような周囲の山々の尾根が、眼下に見えるよう程、高く上ってきて、最後のトンネルをくぐりぬけて大きく曲がったところで山頂駅に到着した(11時40分)。

<<動画:パート2(約19分40秒)はこちらをクリック!!>>

 列車を降りると、我々を運んできてくれた蒸気機関車の力強さに感動した観光客たちが、思わず機関車の写真を撮影している。
 山駅から、さらに徒歩15分ほど登ったところに山頂展望台(標高2350m)がある。途中にはレストラン(宿泊もできるらしい)も設置されている。K氏とT氏、Tリーダーが山頂を目指して登っていく。今朝から雨天のため、平地でも気温は20度程度だったため、気温の差は少ないとは言っても、山頂はかなり気温が低く10度位だろうか? 風が少しでも吹くと寒さが衣服を通して凍みてくるようだ。










 山頂展望台に着くと360度のパノラマ風景が見えた。手前にはグリーンの牧草で覆われた山並みがあるが、その向こうには谷間に横たわるブリエンツ湖と小さな村々、そして向かい側の2重3重の山の尾根が横に並んでいる。そして最も向こう側には、3000〜4000mを越えるヨーロッパアルプスの大きな山々が、真っ白い大氷河を抱えて三角のとんがりを大空に突き刺すように聳え立っていた。これは圧巻である。その山々の中には、ユングフラウやマッターホルンが混じっている。

 展望台には風向計などの計器が設置されていた。私たちが写真を撮って景色を眺めていると、一人の観光客がシャッターを押してあげようと言って、記念写真を取ってくれた。代わりに彼の写真も撮影してあげた。彼はイングランドから来たということだった。天候がだんだん怪しくなってきて、降りようとしていたら、予想通り小雨がパラついてきた。後から登っきたTリーダーがようやく展望台に到着した。

 しかし雨がますます強くなりそうだったので、小走りしながら降りて行った。途中で傘も差したが、傘の骨が折れそうになるほどの強風が吹いてきて、止む無く傘をたたんで、レストランまで急いだ。レストランに着くとその中で他のメンバーがテーブルに座っているのが見えた。すぐ後にT氏もずぶ濡れになりながら戻ってきた。

 次の列車の時間まで、簡単にここで昼食をとることにし、サンドイッチとスープをそれぞれ頼んだ。サンドウィッチは普通だったが、スープは暖かいということもあったが、本当に美味しかった。次の機会に来たときもこのスープを注文するだろう。

 列車の時間が近かったため、ゆっくりする間もなくレストランを後にして、すぐ近くにある駅まで急いだ。列車にはすでに多くの客が乗り込んでおり、いくつか空いてる座席に分かれて座ることができた。登りと異なって雨が降っているためパノラマの車窓を締め切り、曇っていて何も見えない。Tリーダーは早速、隣のおばさんと英語でしゃべりだした。周りの観光客は話の口ぶりでどうやらアメリカから来たようだ。おばさん(おばあさん)達は、横や前後の仲間達とぺらぺらとなにやらしゃべっては大笑いをしている。どこの国でもおばさんはおしゃべり好きのように思えた。

 列車はまもなく発車したが、、窓は曇って外がよく見えないし、列車内はおばさんたちが英語でぺらぺらと賑やかだが、それらの相乗効果でいつしか居眠りをしてしまった。ところどころ目が覚めたが、うつらうつらで眠ってしまい、気がついたらブリエンツ駅に到着した。
 小雨の中、真向かいの国鉄のホームに渡り、ホーム真ん中にある小さな屋根の中に雨宿りしながら列車を待つと、程なくルツェルン行きが到着した。こんな雨なのに、ロートホルンへの登りがあれほど晴れ上がり、私達はなんと運が良ったのだろう(奇跡か)。 <<動画:パート3(約13分)はこちらをクリック!!>>









 雨の中だがスイスらしい山と牧草と瀟洒な建物が点在する村々の風景を、再び見ながらルツェルン駅に戻った(16時5分着)。

 ここで一旦駅から出てルツェルン市内を観光することになった。駅舎を出ると広い広場があり、振り返るとかなり立派な駅舎であることに感心した。駅前広場の周囲にはこれまた風格ある郵便局の建物。反対側には橋が架かっているが、その少し後方には、川の流れとは斜交いに細長い木製の橋が架かっている。世界遺産のカペラ橋だ。
 1333年に建造されたそうだが、なんと1994年に火災で半分が焼けてしまったという。その後、焼け残った部分を生かしながら復元されたのが現状の姿。川沿いにはホテルやらレストランが並んでいる。
 橋を渡って旧市街に入り、そして、表通りに出てドラゴンの遊覧船が係留されている湖岸を通り、ライオン記念碑を目指して歩いていく。5分ほどぶらぶらして山沿いの方面にそれらしいものが見えてきた。小さな公園風の中に入ってみると山の斜面にむき出しになっている大きな岩肌のど真ん中に大きなライオン(レリーフ)が横たわっている。
 よくよく目を凝らしてみると、白いライオンの胴体の横あたりに折れた矢が刺さっている。この記念碑は、「フランス革命時に民衆がパリのチュイルリー宮殿を襲撃したとき、ルイ16世とマリーアントワネット王妃を警護していたスイス人傭兵786人が身を挺して玉砕し、勇敢に戦った彼らを讃えた碑」(引用)だそうだ。

 この後、市内をぶらぶらして商店街に入り、O氏が孫の土産を購入。再びカペラ橋付近を通って駅に戻る。18時過ぎの列車でチューリッヒに戻り、そして駅前にあるコープでY氏とT氏、K氏がミネラルウオーターや土産のチョコなどを購入した。

 ホテルには20時前に戻り、すぐにホテル近くの繁華街にあるビアレストランで夕食を取ることになった。またまた大ジョッキで、肉料理満載のテーブル。
 21時20分頃にホテルに戻って、1日が終わる。 <<動画:パート4(約12分48秒)はこちらをクリック!!>>